2017.03.18 社会的な分断が加速される社会的な構造に対する一考察

日記
社会的な分断が加速される社会的な構造に対する一考察
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先日、「U理論の次に来るもの」(http://www.authentic-a.com/voice/1268/ )という投稿をFacebookにしたところ、後半とイベントの説明が、何をやろうとしてるのか、伝わってこないというご意見があり、やり取りをさせていただいたところ、

 

「現代の状況を鑑みますと、これからますます社会的な分断が加速していくのではないか」

という予測がしっくりこないという回答をいただきました。

 

そこで、社会的な分断がなぜ、今後加速していくとみているのかということに関して、私なりの推察をまとめました。

ずいぶん長くなってしまったのですが、せっかくまとめたのでブログにも掲載することにいたしました。

長文になりますが、もしご興味のある方はご一読ください。

 

世界を取り巻く状況は一緒くたには語れないところがあるかと思いますので、非常に単純化してしまうところがありますが、大きくこれからのトレンドに影響を与えるものがあると思います。

その中で特に大きなものをグローバルレベルのトレンドと日本国内特有のローカルレベルのものに分けてご紹介させていただきたいと思います。

 

【グローバルレベル】

G-1.人口爆発

G-2.環境破壊による気候変動等の諸現象とその影響

G-3.ITをはじめとしたテクノロジーの進化

G-4. グローバルレベルの経済競争の激化

 

【ローカルレベル】

L-1.高齢化とそれに伴う人口減少

L-2.価値観の多様化に伴うマーケットニーズの複雑化

 

上記の要因に加え、様々政治的な要因なども加わって、社会的な分断がより加速していくのではないかと見ています。

ここでは特に経済的なインパクトに照らして、社会的な分断へのインパクトに対する考察をご紹介させていただきたいと思います。

 

■グローバルレベルでの影響

G-1とG-2の組み合わせによって、今後ますます環境破壊が進み、その影響で砂漠化と局所的な豪雨などによる水害を始めとした自然災害が発生することが予測されています。それは農作物の栽培にインパクトを与えることからそれは食糧問題を引き起こすと考えられています。それに加えて、人口が爆発していることから慢性的な食糧不足を抱える可能性が高いです。

それに加え、海水面が上昇することで、沿岸部に人が住めなくなることから、沿岸部に住んでいた人が内陸部に移動することが予測され、内陸部に住んでいる人の側での沿岸部からの難民・移民者の拒絶が生じる可能性があります。それがまず、拒絶という形で生じる社会的な分断です。

 

次に、上記に加えて、G3とG4が影響を与えます。テクノロジーの進化は、高付加価値の創出を容易にする一方で、低付加価値なものの価値を極限まで低くさえてしまうことが生じえます。

しかも、テクノロジーにより距離による障壁をかなり低くさせてしまったことでグローバル競争も当たり前になってきています。

高付加価値なものを創出し続けられる人は勝利を手にし、さらに勝利によってより優位な情報・権利を得て、投資ができることでさらなる優位なポジションを確保し続けて勝利ができるのに対して、低付加価値とみなされる業務についている人たちは労働に対する対価が下がり続ける、すなわち報酬がどんどん下がる上に、投資ができなくなるため、よりポジションが下がり続けるということが生じえます。

これが格差の構造ではないかと考えています。

こうした格差の構造の上に、さきほど述べたG-1とG-2による食生活への脅かしが加わることで、生活苦を強いられる人が増えていくことが予想されます。それが、テロリストによる「搾取に対する反抗」という「正義の論理」に擦り替わってしまうことで、今度はテロリズムが拡大していきます。しかもそれが、テクノロジーによりテロリズムの拡大が容易になっていることもあり、テロの脅威は拡大しやすい状況になっています。

(テロリズムの拡大に対しては何らかの政治的な要因、宗教的な要因がその加速に影響を与えていることが考えられますが、ここではその要因は鑑みないものとします)

資本を持つ側、すなわちテロに脅かされる側は、そうしたテロの脅威から逃れるために、テロを撲滅しようとするか、壁を作ることで関係を断絶しようとし、敵対関係が加速します。

それが社会的な断絶をより強固なものにしていくと考えています。

テロによる脅威に留まらず、資源確保を巡っての民族間や国と国での間での争いとなった場合、戦争に発展するため、戦火によって家を追われた人達が難民化し、その国境付近の住民は難民を拒絶するために、壁を高くしてくということが生じています。

それがシリア内戦の難民の問題であり、それに伴う、ヨーロッパ側での保守傾向の高まりでもあります。

それがまた、社会的な分断となっていきます。

 

■ローカルレベルでの影響

日本においては、グローバルレベルでの影響は実感しづらいですが、G-3とG-4の影響は間接的に生じているといえます。

L-1とL-2は、マーケットの全体が縮小しているうえに、多様化されていることでさらにマーケットが分割されているために、好みのうるさい人たちに対して高付加化価値なものを提示しないといけない上に少ししか売れないという状況になっています。

すなわち、一言でいえば、「儲けづらい」世の中になっていると言えます。

もちろん、個人や小規模な会社が高付加価値なものを出すことで、コストを十分にまかなえるくらいの儲けを生み出すことは可能です。ユーチューバーが個人で稼ぎまくるという現象がそれにあたるといえるでしょう。

しかし、そうした小規模単位での高付加価値で勝負しておらず、どちらかというと規模の論理で20世紀は勝利してきた営利企業がその存続を脅かされています。

マーケットが大きく、ニーズが単一化していればしているほど、規模の論理による優位性の確保はしやすいものになります。しかし、今はその逆ですので、その図体を保持するだけの売上と利益の確保は難しいものになります。

会社全体を食べさせるだけの高付加価値なものを生み出す上で、組織力が役立てばよいのですが、実際には一部のハイパフォーマーに依存して成果を出さざるを得ない状況になっていたりします。

それが「できる人」と「できない人」の差をより生むことになり、「できる人」に負担が重くのしかかることになります。

「できる人」からしてみると、他の人たちが価値を発揮していないことにいら立ちを感じ、「できない人」に対する嫌悪感や見下しが生じてもおかしくはありません。

それが社内での社会的な分断の一つになっているように見えます。

それに加え、それだけでは会社の生き残りに十分とは言えないので、なんとか成果を生み出すように、会社としては社員にプレッシャーをかけ続けることになります。

それが慢性的な残業へと発展し、「ブラック企業」として認知されるようになります。

社員の側からしてみると、不当労働を強いられている感覚になるため、労働争議を起こすことになり、経営側と労働者側での対立が生じます。それが社会的な分断の現象として現れます。

蟹工船時代の労働問題と現代の労働問題が違うのは、蟹工船時代が明確な搾取だったのに対し、現在は、本当に会社として生き残れないので、成果を生み出すようにプレッシャーをかけざるを得なくなっているという点にあります。

 

また、国としても、L-1による労働人口の減少を食い止めるために、就労年齢を引き上げるか、女性の活躍推進を推し進めるかによって、労働力をなんとか確保しようと努めています。

そうした方向性が、ダイバーシティ推進という言葉で推し進められますが、それを可能にするために、働き方の多様化がニーズとして生じます。

しかし、実際には、市場から求められているのは高付加価値な商品・サービスであり、それが創出されていなければ、買ってもらえないという状況であるため、ただ、働ければいいということでは片付かない状況があります。

従って、多様な働き手を活かしながら高付加価値を創出するマネジメントできるマネージャが必要なわけですが、そんなに器用なマネジメントができる人はそうそういないのが現実です。

それが、今度は上司-部下という間での信頼関係の欠落を生じさせます。それも社会的な分断として生じます。

そうした状況が合わさって、慢性的な社内ストレスを生じさせています。

 

インターネット事業など会社として高収益を上げやすい会社に勤めている人や転職によるキャリアアップを図りやすい人以外は、給与の上昇が基本的に見込みづらくなる可能性が高いため、お金のために夫婦共働きをする傾向が強くなりやすくなりますが、慢性的な社内ストレスを家にそのまま持ち込む上に、家族に対する甘えから、弱っている方が相手に何かしらの依存をします。

相手方も働いていることもあり、慢性的なストレスにより心の余裕がないので、お互いに対して「もっとこうしてくれたらいいのに」という期待が裏切られることになり、夫婦間の対立という形か、それが子育てに影響すると、子どもにストレスを与え、引きこもりなどの状況を創りだしてしまう可能性があります。それが、家庭内不和という形で、社会的な分断を生み出す可能性を生じさせます。

上記が「社会的な分断」に対する、私の雑感です。

ネガティブな思考のように見えるかもしれませんが、私個人としては、状況をシビアに見ている、すなわちシナリオプランニングをしているだけで、そのために何ができるのかということを常に考え続けています。

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