2020.08.18 自分自身の『弱み』との向き合い方

日記
自分自身の『弱み』との向き合い方
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【自分自身の『弱み』との向き合い方】

弊社では講座の卒業生の方々と共に「発達指向型組織を自社で実現する」ことをテーマにした研究会を立ち上げています。

メンバーのお一人が、ストレングスファインダーの資格を持っていることから数回にわたって詳しく教えていただいているのですが、毎回メンバーの皆さんとの対話が非常に深まりのあるもので勉強になっています。

ストレングスファインダーに留まらず、世の中には様々な個性診断があり、私自身20年以上にわたって様々な個性診断を受けたり学んだりしていますが、その中で必ずといっていいほど話題になるのが、「強みにフォーカスするのはいいとして、弱みはどうするんだ?」ということです。

「強みを伸ばす、フォーカスする」というのが輝かしく、ポジティブなメッセージである分、こうした弱みに着目した話題が意外と避けられがちなのと、そこに対して明快な回答がされているケースをお見受けすることがあまりありません。 昨日の勉強会でも、この自分自身の弱みにまつわるテーマを共有してくださった方がいらっしゃいました。

その方は、34個あるストレングスファインダ―の中で「共感性」が下位資質(30位台以降の資質)に位置づけられているということから話が始まりました。

その方がご家族から「あなたは共感力が低いことが問題だ。といったことを指摘されているのだが自分のストレングスとして共感性は下位資質になっている。それは他のストレングスでどうやって補えばよいのか?」といった類のご質問がありました。

それに対して、弱みをどう扱うのかについての私の考察をまとめ、仲間内に共有させてもらったのですが、せっかくまとめたので、こちらでも記載させてもらうことにしました。

かなり長文になりますが、ご興味のある方は、ぜひご一読ください。

ストレングスファインダーを始めとした個性診断によってあらわされる「強み」「弱み」はここでは個体差としてある傾向が表出するものととらえています。

また、ここでは以下の2点を「弱み」として考えたいと思います。

①「強み」の弱み使い
⇒その個体差として「強み」があるものの、それを無自覚につかってしまっていたり、その副作用的な負の影響を看過してしまっていることによって生じるものです。

②下位資質の劣等機能
⇒下位資質はストレングスファインダーでいえば、30位以降に位置するものであり、他の個性診断においても、特定の領域における特性が弱いというもので、基本的にそれが駆動することがない、ないしは駆動しようとする欲求がそもそもわかないという認識をしておりますので、ここではわかりやすく「劣等機能」とあえて表現させてください。

結局のところ「弱み」が問題になるのは、ある課題や状況下において、求められるパフォーマンスがある中で、それを発揮するためのコンピテンシーが満たせていない場合に問題が生じます。

ここでいう「コンピテンシー」とは、「能力」というより、「求められるパフォーマンスを発揮するために必要となる行動特性」です。

法人営業であれば、対人対応力やソリューション力なども必要でしょうし、財務戦略を考える職務であれば、論理性、財務知識、判断力、戦略性なども必要になるでしょう。

そう考えると、ある課題や状況下において、求められるコンピテンシーのサブセットがあり、それが満たせていないと問題が生じます。で、そこが慢性的に満たせていないためにパフォーマンスが発揮できず、それが個人の特性から来ているものなのだとしたら、それが「弱み」として認識されやすくなります。

その質問をしてくださった方の場合、ストレングスファインダーの「共感性」が下位資質になっているとのことだったのと、家庭ではその共感性の低さを奥様から課題として指摘されているというお話でした。

その意味では、「家族関係」という状況下において、求められるコンピテンシーが「共感的に感じ取り、その姿勢を示す」ということになっているのではないかと思います。

その方のケースにとどまらず、「ある課題や状況下において慢性的にコンピテンシーが不足している」という状態は、そこかしこで発生しています。

それをなんとかしようとしてもがいていたこれまでの状況に対して、弱みを無理に扱うようなことはやめようという話が生まれやすくなり、強みにフォーカスしようという傾向が世間的なトレンドになっています。

しかし、往々にして、個体差である「弱み」が、そのままコンピテンシーの不足と同等に扱われることが多く、「それは個体差による『弱み』なのだから、そこは目をつぶってそのコンピテンシーの不足の克服はしようとせず、『強み』にフォーカスをするように、相性のいいコンピテンシーを伸ばしましょう」といった形で「個体差とコンピテンシーの混同」が発生することがかなり多いです。

実際に、その求められるコンピテンシーと『強み』が相性がよければ、そのパフォーマンスを出しやすかったり、「好きこそものの上手なれ」という形で能力を伸ばしやすくなるので、それは言うまでもなく大事にするほうがいいでしょう。 それは家庭という状況下の中で、共感力がコンピテンシーとして求められる面においては、共感性が上位資質になっているほうが確かに都合はよいといえます。

しかし、実際には「ある課題や状況下において慢性的にコンピテンシーが不足している」ことをなんとかしないといけないことはかなり多く、「個体差とコンピテンシーの混同」によって投げ捨てられるほどことは単純ではなかったりします。 では、「ある課題や状況下において慢性的にコンピテンシーが不足している」という状態に対して、個体差である「弱み」の相性が悪い状態になっていることにはどのように対応したらよいのでしょうか?

結局のところこれは、以下の命題にいきつくことになります。

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①慢性的に不足しているコンピテンシーは、他のスキルで補うことができるのか?
②慢性的に不足しているコンピテンシーに関して、他者の協力を得ることができるのか?

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上記の①と②の命題でしかないのに、慢性的なコンピテンシーの不足の問題に対して、個体差である「強み」を活かすのか、「弱み」を克服するのか、目をつぶるのかといった、「強み・弱み論」として課題を定義してしまうことが命題の解決から遠ざけさせてしまっていたり、問題をさらに複雑化させてしまっていたりします。

先ほどのご家族の件で相談された方のケースでいえば、「共感力がない」と奥様から指摘されていたとして、それがその方の克服課題ではないと私は思います。

大事なのは、「共感できるようになること」ではなく、ご家族がその方に「配慮されているな」とか、「自分のことをちゃんと知ろうとして、大事にしてくれているな」と実感が行き届くようにできるかどうかだと思います。

すなわち、このケースだけでいえば、「視点獲得能力」を発達させられるか、そこで見えたことを行動に移せるかどうかだと思います。

従って、「ある課題や状況下において慢性的にコンピテンシーが不足している」事に関しては以下を着眼点としていく必要があると思います。

①課題解決の上位目的を明確にする。ないしは課題の再定義を行い、コミットする
⇒これができていなければ、「個体差とコンピテンシーの混同」に陥りやすくなります。

②個体差による「弱み」を「諦める」のではなく「受け入れる」
⇒個体差による「弱み」について、よく見かける傾向が「私は〇〇だから苦手」という言い訳だったりします。ストレングスファインダーによらず、個性診断によって明らかになった「弱み」による劣等機能が、そのコンピテンシーの不足を補わないことの言い訳や正当化に使われると、結果的にその人の可能性を阻害するだけでなく、関係性の悪化につながりえないため、個性診断がかえってマイナスの影響をもたらすということがかなり看過されていることが多いです。

そうした正当化の影にあるのは、その「弱み」を「諦めよう」としているだけで、本当は執着があることに気づいていません。

それが結果的に利己的な姿勢を引き起こすことになり、周りからの協力を得られなくなるというパターンを出現させます。

それに対して、その個体差による「弱み」のあるがままを「受け入れる」ことができるようになれば、ただ、謙虚になり、自分がコミットしているより大きな目的に向けて、スキルを高めるか、助けを求めることができるようになります。

わかりやすい話でいえば、加齢による様々な機能低下も個体差による「弱み」といえますが、「もーー。私も50歳を過ぎて、あちこちガタが来てるし、老眼でよく目も見えなくなってきているから、若い人に何とかしてもらわないと困るんだよね」というようなことを言ったとして、誰がその人に手を貸すのか。という話です。

「私には個体差による『弱み』がある。そして、より大きな目的にコミットしている」
この立場を確立できるかどうかが重要です。

③スキルの向上や阻害行動の克服によって、慢性的なコンピテンシー不足を解消できるのかどうかを見極め、その改善に努める
⇒最も難しいのは、この見極めにあります。「変えうるものなのか、変えられぬものなのか」の識別できないでいる結果、この「個体差とコンピテンシーの混同」の問題を引き起こすといっても過言ではなりません。

また、多くの場合、スキル不足として「足し算」が不足していると認識しがちですが、実際には、免疫マップの「阻害行動」の「引き算」の問題が潜んでいることがかなりあり、それを扱うことで諦めるしかなかったような慢性的なコンピテンシー不足が実は解消できるものだったということが判明することは少なくありません。

④「助け」を適切に求める
⇒ここが、個性診断の「強み・弱み論」の本質とも言えるでしょう。個体差である「弱み」は誰にでもあるものですし、先天的なものばかりではなく、加齢、病気、事故によって後天的に獲得してしまう「弱み」も人間だれしもあります。

その「弱み」の領域を誰かに面倒をみさせるように、人に依存するのではなく、「助けてもらえる」状態であるために、②で書いたようなことも含めて、自分自身が何を高めていくことが求められているのか。そこが明暗を分けるといえるでしょう。

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