2020年2月24日
中土井 僚「日々是内省」
昨今、強みにフォーカスすることが、人材活用における新しいスタンダートとして多くの支持を得ているように感じます。労働人口の減少、働き方改革やダイバーシティ推進という社会の要請も、これを後押ししていると言えるでしょう。
AI人材に象徴されるように、ある能力が著しく尖った“逸材”には、新卒1年目から年収1000万円を提示する日本企業も登場しつつあります。
ギャラップ社が提供しているストレングスファインダーを始め、個人の能力特性や傾向を知るためのアセスメントが、多くの職場で取り入れられるようになってきたことも、強みフォーカスのアプローチが、組織の中で定着しつつあることを示しています。
一方で興味深いのは、強みにフォーカスしよう!という主張に賛同する人たちに対して、それと同等数もしくはそれ以上の人が、その主張に異を唱えているケースがあるということです。
そうした異を唱える人たちの言い分としては・・ 「強みを活かすというのは、耳障りはいいが、それだけでいいとはいえないと思う。弱みを克服しないと人として成長できないし、柔軟性が乏しくなるのではないか?」 「みんなが得意なことをばかりをやっていたら、仕事は成り立たないと思う。抜けた穴が生まれないようにするためにも、苦手な分野にもそれぞれが手を出すようにすべきだと思う」 「強みにフォーカスしようという甘言が『やりたくないことを避けようとする』風潮を助長させるように思う。地に足のついていないポジティブワードは無責任さの裏返しだと思う」 と、言った具合です。
「強みにフォーカスするからこそ、高いパフォーマンスが期待できる」のか、
「弱点を克服するからこそ、人としての器や能力の成長があり、レジリエンスを高められる」のか、
これは永遠のテーマのようにも感じられます。
しかし、多くの決着のつかない議論にみられるものと同様に、実際にはこれは「そもそもお題がおかしい」のです。
たとえば、「右手は左手よりも偉いのか、左手よりも右手の方が偉いのか」というお題が設定されたとしたら、誰もがそもそものお題の設定が間違っていると思うと思いますし、このお題は決着がつかないのも明白です。
それと同様に、この「強みフォーカスか、弱点克服か」もお題の設定が間違っているのです。
この間違ったお題へのはまり込みによる混乱をきたしているのは、能力・スキルを伸ばすことができるのか、伸ばすことができないのかの見極めの難しさに起因していると私は考えています。
その見極めの難しさとは以下のようなものです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ①その能力・スキル領域における得手/不得手は個体差に起因するのか、否か? ②その能力・スキルは訓練によって習熟可能か、不可能(もしくは非効率すぎる)か? ③その能力・スキルは他の能力・スキル、他人の力、テクノロジーによって代替できるものか、否か? ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これらの見極めが難しく、それが故に間違ったお題へとはまり込んでしまうのは、客観的な判別が難しいケースが多く、それが故に、自他に対して「これは出来て当たり前」と思う基準が高くなる、すなわち、勝手に期待が高くなってしまうからに他なりません。
では、「強みフォーカスか、弱点克服か」のお題の設定が間違っているのだとしたら、本質的に問うべきことはいったい何なのでしょうか?
今回はこのテーマについて、私なりの洞察をLINE公式にてご紹介したいと思います。
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