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INTERVIEW

リーダーシップ開発プログラム事例インタビュー ― 国内金融企業様

自己理解から始まるリーダーシップの「軸」づくり  

次世代リーダーの「意識改革」を軸に組織変革を加速する

【話し手】 
国内金融企業 人事・管理部門 担当執行役員 鈴木様(仮名)   

       人事部 部長 田中様(仮名)

【聞き手】
オーセンティックワークス コンサルタント 松尾   

オーセンティックワークス 広報担当 山根   

INDEX

​​1.プログラム導入時の背景・課題   

- ビジネスモデル変革と次世代経営候補者育成   

2.プログラム概要と得られた成果   

(1)トライアル …半日間で掴んだ手応え   

(2)リーダーシップ開発プログラム …他者理解の実現は、まず自己理解から   

(3)遠回りなことが、結局は一番の近道   

3.今後創り出していきたいこと   

1.プログラム導入時の背景・課題 
​ ービジネスモデル変革と次世代経営候補者育成

― まず、今回のプログラム導入に至った背景からお伺いします。どのような課題感があったのでしょうか。 

  

鈴木様:   

私は2024年4月に当社に入社しました。 
人材育成の施策としては、主に支店長向けに、コンプライアンスや専門知識を高めるためのものは充実していたのですが、一方で、課長や部長など、管理職層への体系的な研修は十分とは言えない状況でした。


その中でも次世代経営陣育成の施策自体は存在しており、社長自らが資料を作り込んでリーダーとしての覚悟や意思を伝えるなど、熱心に関わってくれていました。 
ただ、長く続けてきたがゆえの悩みとも言えるのですが、率直に申し上げると、少し形式的になってしまっているかもしれない、という部分も見受けられるようになっていました。 
 

加えて、会社全体としてもフロー型からストック型へのビジネスモデルの変革に取り組んでいる最中です。こうした大きな変化の中で、表面的な研修ではなく、リーダー層が本質的に変わるための取り組みが必要だと考えるようになりました。そこで、外部講師による「意識改革型」の研修を導入したいと考えたのです。 
ちょうどそのタイミングで、前職でもお世話になった中土井さんとお話しする機会があり、当社向けに次世代リーダー育成研修をお願いすることにしました。

ただ、「過去に関わりがあったから」という理由だけでお願いしたわけではありません。「当社に合うかどうか」が最も重要だと考えていましたので、最初に「お試しで1日だけお願いできませんか」とトライアルを依頼しました。
結果、「いける」という手応えを感じて本番のプログラムをお願いしました。もし合わないと感じていれば、そこで終了していたと思います。

 

2.プログラム概要と得られた成果

(1)トライアルプログラム

半日のトライアル研修では、「急速に変化する環境の中で必要となるリーダーシップとは?」という問いかけからスタート。
まず、組織変革の前に立ちはだかる現状維持を生み出す構造や、組織に起きがちな慢性的な課題について、「二つ以上の要素が互いにつながっている集合体」という意味での「システム」という視点から理解をするということを意味と意義をご紹介し、受講者の皆さんと考察を重ねました。
後半は、環境変化の激しい現代において、どのようなポイントで「ビジョン」に着目すべきか、というテーマの元、ビジョンマネジメントを可能にする「SOUNDメソッド®」に基づいたビジョン・アウトカムの創造を体験していただきました。

―“トライアル”の手応えはいかがでしたか。
 

鈴木様:

受講者の反応はとても良く、初回から「これは当社に合う」と確信が持てました。こちらが実現したい方向性と、御社の進め方のマッチングが取れた感覚がありました。

 

実際のプログラムに向けて、社長とも何度か打ち合わせを重ねて受講メンバーを選定しました。いくつかの案がありましたが、最終的には「次の執行役員を目指す10人」という意図を明確にし、少数精鋭で深く取り組む場にしたというのが今回の設計です。

(2)リーダーシップ開発プログラム …他者理解の実現は、まず自己理解から

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【プログラムのゴール】

・持続的な変化に対して対応できる柔軟性を獲得すること

・自分自身を取り巻く状況の変化が、自分に何を突き付けているのか自分ごととして考えられるようになっていること

・自分自身の「強み」や「やりたいこと」が明確になっていること

・自分の成長したい姿がイメージでき、この会社で働く意義や、これから何を生み出していくのかについて、自分なりの意味づけができていること

・職務を通して自分が「すべきこと」は何かを明確化し、自律して取り組めるようになっていること

・参加者同士が、共に難局を乗り越える「同志」としての絆を育んでいること

 

 

―プログラム開始当初、参加者の反応はいかがでしたか。

 

鈴木様:

最初は、全体として半信半疑という雰囲気もありました。前向きな人もいれば、少し様子見の人もいて。参加者の発言も少なく、中土井さんの問いかけには田中さんが答える場面が多かったですね。受講者とはいえ、人事部長として場づくりに関わってくれたのだと思います。

ただ、回を重ねるごとに自然と発言が増え、誰かの発言に別の人が重ねて意見を言うという場面も出てきました。受講者同士の連帯感・一体感が高まっていく様子が、はっきりと見て取れました。

 

田中様:

人事部という立場もあり、受講者10名についてはよく知っているつもりでしたが、「実はAさんとDさんは、これまでに接点がほとんどなかった」というように、互いの関係性については知らなかったことも多いのだと気づかされる機会にもなりました。

 

受講者としてですが、特に印象深かったのは合宿2日目のワークです。「プログラムで新たに知った自分自身について、オープンハートに表現し、迎え入れる」というような内容でしたが、言葉にならない部分にも変化が起きていたと感じました。

多くの人にとって、自分を深く知る機会は、日常の中ではなかなかありません。

今回の研修を通じて、「自分はこういう人間だったのか」「自分はこういう考え方を持っていたのか」と気づいたり、あるいは「もっと自分を知る必要がある」と感じた人が多かったのではないかと思います。

 

鈴木様:

私自身がアテンドできなかった回については、後から映像をスマホで見せてもらいましたが、大きな動きと声で自己表現するワークでの、参加者の生き生きとした様子や、中には涙する姿は、とても印象的でした。

(3)遠回りなことが、結局は一番の近道

田中様:

中土井さんがたびたび「相手を知る近道は、自分を知るという遠回りをすること」とお話しされていました。私の部下(以下、Aさん)が事務局として参加していたのですが、彼の変化こそ、まさにその体現だったと思います。Aさんはとても優秀なのですが、一方で、敢えて言うならば「自分の考え方にこだわり過ぎてしまう」ところもあるように見えていました。

プログラムが始まってからは、事務局という立場でありながらも、Aさんは自分ごととして多くの気づきを得てくれました。課題図書である『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を自分もしっかり読み込んだうえで、「もしかして自分はいま『箱』に入ってしまっていて、周囲とうまくコミュニケーションが取れていないのではないか」という気づきがあったようです。

 

Aさんは本プログラムよりも若い世代のリーダー層育成を担当しているのですが、そういった気づきを、今も自ら積極的に受講者たちに広めようとしてくれています。

何より印象的だったのは、上司である私に対して「私が間違っていたかもしれません」と打ち明けてくれたことです。本当にうれしかったですね。

 

―確かな変化に関われたということが、非常に嬉しく思います。他にも、プログラムによる変化として見えてきたことはありましたか。

鈴木様:

年上の部下との関係性に悩んでいた参加者がいて、以前から相談を受けていたのですが、研修後に話を聞くと「関係性がすごく良くなった」と喜んでいました。本人が変わったからか、相手が変わったから起きた結果なのかは分かりませんが、関係性が良くなったことは間違いありません。リーダーとしての心構えや、相手の受け止め方が変わり、その変化が鏡のように相手にも伝わっていったのだろうと感じています。

―組織全体としての変化はいかがでしょうか。

 

田中様:

当社では、今回のような研修をあまり実施してこなかったこともあり、最初は参加者にも戸惑いやためらいがあったように思います。しかし、回を重ねるうちに徐々に皆が積極的になり、受講者同士の関係性もアメーバ状に広がっていくように感じられました。学びの密度も濃くなっていき、業務での連携もしやすくなった印象です。

受講者メンバーとは、その後もよく顔を合わせますが、プログラムでの学びが共通言語となり、互いにフィードバックし合える関係性が続いています。

部署間連携も広がりました。これまでは、誰かをハブとしてつながっていた部分もあったかもしれませんが、今回は共通言語ができたことで、部署同士が直接つながる関係が増え、連携が一気に深まったと感じています。その共通言語は、部下とのコミュニケーションにも活かされています。

―“遠回りが近道”ということが印象深かった、とのお話がありましたが、今回のプログラムの特徴は、まさにそこにあったということでしょうか。

 

田中様:

そう思います。毎回どっぷりと深く向き合う内容で、普段使わない筋肉を使うような「考える疲労」がありました。ただ、その疲労がどこか心地よくもありました。

 

鈴木様:

普段の業務では、金融マーケットの動きに即応する瞬発力が求められますが、今回のように概念的に考え、「なぜか」を深く掘り下げる時間は、今後ますます必要になっていくのだろうと感じています。

 

プログラムを振り返ると、改めて中土井さんの「言語化する力」の素晴らしさを実感しました。特に、抽象的なことや概念的なことを、参加者が理解しやすい言葉に落とし込む力が本当に優れていると感じます。

講義の場面はもちろんですが、受講者との質疑応答でのやりとりが非常に印象的でした。質問する側もまだうまく言葉にできていない、あるいは頭の中にいくつかの要素が絡み合っていたり、相反していたりするような問いに対しても、それをしっかりと咀嚼し、対話を通じて丁寧に解きほぐしながら、一緒に答えを導き出していく姿が、とても印象的でした。

3.今後創り出していきたいこと

―最後に、今後どのようなことを創り出していきたいかについて、ぜひお聞かせください。

 

鈴木様:

組織を動かすうえでは、まず「部店長」が重要だと考えています。部店長研修をしっかりと整備しつつ、今回のような次世代リーダー育成も継続していきたいと思っています。

そのうえで、課長・次期課長層の強化にもすでに取り組んでいます。例えば、35歳前後のメンバーを対象にした事業創造のためのプログラムなどです。来年度以降は、全体を底上げする仕組みも作っていきたいと考えています。
私たちは「人で勝負する会社」です。人材のクオリティが低ければ勝負になりません。お客様に価値を提供していくために、社員一人ひとりがスキルアップする研修が必要だと考えています。

ただし、リソースには限りがありますので、どのような形で進めるのが最適かは、今まさに検討しているところです。

例えば、女性活躍もぜひ後押ししていきたいテーマの一つです。まだまだ女性管理職が少ないのが現状ですから、若手の女性社員が自分のキャリアを主体的に描けるような環境を整えていきたいと考えています。

―御社の皆さんは、新しい考え方や気づきを柔らかく素直に受け止められる土壌があると我々も感じました。学びを「自分ごと」として受け止め、行動に移そうとしている姿勢に、私たちも有難く感じております。田中様はいかがですか。

 

田中様:

私自身は、人事として「社員一人ひとりが生きがいを持って働ける会社をつくりたい」というビジョンを掲げています。そのためには、まず自分自身が“人のことを本当に分かろうとしているか”が重要だと感じています。自分自身と向き合えていなければ、社員のことを本当の意味で理解することはできません。

 

今回の学びは、人事の立場としても非常に活かせるものだと感じています。ここで得た気づきを、今後の施策や日々の対話の中で還元していきたいと思います。

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