
VISION
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INTERVIEW
シナリオプランニング
株式会社日立製作所様
「ありたい姿」は自分たちの手で描くー エンゲージメントスコア+8.6ポイントの改善を生んだプロジェクトー

(写真左から (株)日立製作所 折口様、山田様、大胡様、河瀬様)
企業紹介
データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。
話し手
株式会社日立製作所 金融第一システム事業部 金融システム第二本部
本部長 山田 貴之様(プロジェクト責任者 兼 参加者)
部長 折口 直人様(プログラム参加者)
部長 大胡 貴志様(プログラム参加者)
主任技師 河瀬 豪 様(プログラム参加者)
聞き手
オーセンティックワークス コンサルタント 松尾
サマリー
関連プログラム
INDEX
1.プログラム導入時の背景・課題
2.プログラム概要
(1)プロジェクトの目的・ゴール
(2)プロジェクト全体像
(3)全体の感想と実感した効果
(4)実感した変化
(5)オーセンティックワークスならではのポイント
3.おわりに「今後創り出していきたいこと」
4.プログラ ム取組み後の変化
1.プログラム導入時の背景・課題
様々な金融機関向けシステム開発を担当して いる(株)日立製作所 金融第一システム事業部金融システム第二本部様。次の中期経営計画の期を迎えるタイミングで山田さんが抱いたのは、「自分たちが受け身の姿勢を脱しなければ、これ以上の成長はない」という危機感でした。
山田さん:
今までのように、上層部から提示された内容に即した受け身だけの中期経営計画では、成長も限界を迎えるだろうという漫然とした危機感を抱いていたのですが、ある日信頼できる同僚と議論する機会があり、「これからは自分たちで中期経営計画を作らなければダメだ」と思い至りました。そのためには部長や課長たちの視座向上が必須だと考え、オーセンティックワークスさんにお声がけした、という経緯です。
2.プログラム概要
(1)プロジェクトの目的・ゴール
目的:
先行き不透明感が増し激動する事業環境において、目標設定型に依存した事業計画づくりから脱却し、より柔軟性の高い事業計画の策定を可能にすることにより、組織的な環境適応の柔軟性向上を図る
ゴール:
次期中期経営計画の策定を見据えて、自分たちのありたい姿を明確にし、現状の事業・業務課題や様々なシナリオを反映させた事業計画の策定。
責任者、管理職としての視座向上を図り、先見の明のある計画策定を促進すること。
プロジェクトのコンセプト:
現場の業務課題をベースとした「ミクロな視点」と、自事業を取り巻く外部環境を含めた「マクロな視点」のそれぞれを題材とし、対話を重ねることでより柔軟性の高い計画策定が可能になることを目指す。
先行きの不透明感が増し激動する事業環境に適したプラン ニングのフレームワークを身に着けることを目指す。
(2)プログラム全体像

1)キックオフセッション
プログラム開始にあたって、参加者が自分自身のチャレンジテーマを設定する
2)共創ビジョン創発ワークショップ
本部長、部長、課長層が横断して参加。現状や課題を棚卸ししながら、その背景にある構造や固定概念を探求し、共創ビジョンの構築を行う
3)シナリオプランニングセッション
「どっちに転ぶかわからない」将来の状況に対して、「どっちに転んでもやっておくべきこと」を見極め、実行できるようにするために、シナリオ作成を複数パターン行う
4)変革課題設定ワークショップ
作成したシナリオを部下へ落とし込みをし、それを受けた変革重要課題の検討をする
本プログラムの中核となったのが「シナリオプランニングセッション」です。シナリオプランニングとは、起こり得る未来の環境・状況を複数のシナリオとして整理し、共有化し、戦略を導くための一連の手法を指します。「
起こって欲しい(願望:wish)」「なるだろう(予想:will)」「なるべきだ(理想:should)」ではなく、「起こり得る(確率:Could be)」未来を予見する幅を広げられるようになることを目指し、自分たちの事業や領域を取り巻く状況のうち、不確実性が高く影響度の大きい変数を特定し、シナリオとして描きます。そして、描いた複数のシナリオのうちいずれのものになったとしても、優先順位を上げて対応すべき「重要かつ緊急ではない」事項の洞察を深めることを目指します。
(3)全体の感想と実感した効果
―プロジェクトの準備段階では、企画者としてどのようなことを感じていらっしゃいましたか。
山田さん:
正直なところ、初めのうちはどんなプログラムになるか全く想像がつきませんでした。刻一刻と状況が変化する今の時代には「波乗り型プランニング」へのパラダイムシフトが必要だと頭ではわかっていても、本当に自分たちの考え方を変えることができるのかという不安もありました。
ですが、プログラムが進むにつれて、シナリオプランニングをすることの重要性について参加者みんなが本質的に理解を深められましたし、シナリオプランニングセッションで何度も試行錯誤 したお陰で、自分たちの手で中期経営計画が策定できる、という自信が持てました。
―受講者の皆さんにとって、このプログラムはどのような印象でしたか?
折口さん:
「中期経営計画を立てるための研修がありますので皆で受けましょう」と聞いたときは、そんな魔法みたいな研修が本当にあるのか!と思いました(笑)。
実際は魔法ではありませんでしたが、プランニングの考え方を初めて体系的に学ぶことができ、本当に良かったと感じています。
大胡さん:
次期中期経営計画に向けた準備体操として予め手を打つ機会なのだと感じてプログラムに臨みました。
自分一人ではなく部のメンバーと一緒に、それも半年以上かけて取り組むことで、皆の考え方や視点を揃えることができましたし、何より次の中期経営計画に挑むためのよいチームビルディングが出来たと思います。
河瀬さん:
最初は「もうこんなに早い時期から中期経営計画を考え始めるのか 」と思っていたのですが(笑)、実際はもっと根本的なことに取り組んだプログラムでしたね。
チームメンバーは部としてどうありたいと考えているのか、そして、会社ではどんな毎日を過ごしたいのかなど、一人ひとりの深い考えや想いまで共有できたのは、新鮮かつ大切な機会でした。中期経営計画についても、まず向かうべき目標と方向性だけではなく、シナリオプランニングを使って「ダメだったらどうするか」ということも考えた経験がとても印象的でした。
山田さん:
もう数えきれないくらいありますが…。最初の「共創ビジョン創発ワークショップ」合宿でのワークで、「所属している組織やコミュニティで目にした・聴いた・感じた心温まるエピソードや、ショックを受けた・驚いたエピソード」をみんなで紙に書き出して眺めるというワークがありましたよね。メンバーが書いた内容を見て、普段一緒に働いているメンバーたちについてもまだまだ知らないことがこんなにあるのかと痛感したことを思い出します。
他にもフラフープやレゴブロックを活用したワークとか、二人組での散歩など、一見ユニークなワークが多かったですね。
大胡さん:
ビジネススキルやMBA的観点を学ぶ機会はこれまでもありましたが、体感から学ぶ、ということがとても新鮮でした。
河瀬さん:
振り返ってみると「アハ体験」の連続から、自分を客観視することを促すプログラムだったなという印象です。プログラム中は5時間も過ぎると、もう頭がへとへとになってしまって…、普段使わないところを使っているという体験でした。
山田さん:
その後のシナリオプランニングセッションは、「洗い出した二つの変数の掛け合わせでできた四象限で考える」ということに取り組みましたが、今まで考えた事も無いような観点で、とにかく頭を使いました…。
これまで自分たちが考えてきたシナリオは、結局のところ「起きる」「起きない」の二象限でしかなく、四象限になるとこんなにも複雑になるのかと。かなり難しかったですが、学びも非常に大きかったです。何を変数として目をつけて、どんな「軸」を設定するのかが肝だと思いました。
大胡さん:
その軸について、チームメンバーとすり合わせるのがまた難しかったですね。メンバーの見立てが違うと、同じ軸であっても解釈が異なるので、結局、プランの理解度もズレてい く。そして人数が多いほど見立てのズレの幅も大きくなりますから、いかにすり合わせが大変かというのを嫌でも実感しましたし、「何がズレの要因か」ということも皆で共通言語化できたことは重要なポイントだったと思います。
折口さん:
シナリオプランニングセッションを終えた後の課題設定ワークショップの最後に、「変革を実現するのは、一人ひとりの社員の姿勢こそが重要だけど、実はみんな「安定」を望んでいるのでは?」ということに気づいてしまった時の衝撃がいまだに残っています。
それでも、このプログラムが無ければこれまで通り上層部の指示通りの計画を作っていたことでしょう。本部長、部長、課長と縦のラインでプログラムに参加したおかげで、皆で共通認識を持ったうえで「あるべき姿」づくりを進められています。もし、最終判断者である本部長がプログラムに参加していなければ、自分たちの想いを伝えるのはもっと困難だったでしょうね。
山田さん :
いま(※インタビュー当時)新しい中期経営計画策定の真っ最中なのですが、今回から、「5年後・10年後のありたい姿を描く」ことが計画の項目として加わったのです。正に今回のプログラムで学んだことそのもので、本当にやってよかったと思っています。大胡さん、河瀬さんのチームとは今日(インタビュー当日)中計のレビュー会をしていました。本部長という私の立場からしても、「先日のワークショップではこういう話をした」と、共通体験を土台にしてコミュニケーションできることがありがたいです。
河瀬さん:
プログラムで「ありたい姿」「目指す姿」を一緒に検討したからこそ、良いシナリオと悪いシナリオはどんなものかという合意と、落としどころはここだ、という共通認識 があるのはとても良いですよね。

(4)実感した変化
―新たな学びだけではなく、自分が大事にしてきた価値観を再確認できたという感想もワークショップ中にも仰っていました。そのことも踏まえて、今回のプログラムは、皆さんや組織にどんな変化やインパクトをもたらしたと思いますか?
折口さん:
チームメンバーとの相互理解をいっそう深めることができました。長期のプログラムの間で普段なかなか聞けなかった想いや人となりをより知れたことで、業務の連携がとりやすくなりましたし、会話が更にしやすくなりましたね。
大胡さん:
プログラム後、とても積極的な姿勢を発揮するようになったメンバーがいます。それまで課題になっていた権限移譲を図ったり、技術の先鋭化にも前向きに取り組んでくれるようになったりと、メンバーの当事者意識の高まりを感じています。
山田さん:
私は常から、自分や組織の存在意義についてと、正当な評価によって一人ひとりが承認される組織をつくりたいということを考えていましたが、今回のプログラムを通して自分が大事にしてきたことは間違いではなかったという確信が持てました。

