U理論実践による主な効果・効能の詳細

個人レベル

  1. あり方(Being)の拡大

    U理論の実践によって、あり方(Being)と呼ばれる人としての器の領域を拡大することが可能になります。何度もUプロセスを辿っていく中で、「プレゼンシング」と呼ばれる領域に到達することになりますが、その状態の中で「本当の自分は何者で、何を成すのか?」が明確化されていきます。

    それにより、自分自身の中に確固たる軸が生まれ、自分らしいリーダーシップが発揮されるようになります。
     

  2. 意思決定の質の向上

    同じような問題の症状が繰り返されたり、何かしら手を打っていたとしても状況が改善されず、むしろ状況が悪化してしまっていたりするような場合においては、一連の行動に対する意思決定の質が低いことが一因となっていることが考えられます。

    ほとんどの場合、そうした意思決定は過去の思考パターンを繰り返しているだけのケースが多く、打ち手の施策が変わっていても、そこに至るためのプロセスが同じパターンを辿るために結果に違いを創ることができないままになっています。

    U理論においては、内面の変容を重視していることから、意思決定に至る思考プロセスそのものを転換することができるの共に、「プレゼンシング」の状態から湧き上がる意図やビジョンに基づいて未来創発的に意思決定を生み出すことが可能になります。
     

  3. インスピレーション・直観力の向上

    U理論のモデル図を見たときに、「私はこのプロセスを知っているし、いつもやっている」という方も多く、特にクリエイティブな仕事に携わっている方がそう述べる傾向があります。

    クリエイターは、自分の中でインスピレーションが沸く状態になれるよう、自分の内面を整えることを重視する傾向がありますが、そのプロセスがU理論で示されているものと同じであると言われます。

    U理論の実践を繰り返していくことにより、「プレゼンシング」の状態に至りやすくなることから、自分の中に静寂が生まれ、インスピレーションや直観が沸きやすくなります。

ペア(1対1)レベル

  1. こじれた関係性の改善
    1対1の関係性において問題を抱えた場合、どちらもが問題の原因であり、結果となっていることから、当事者での解決は難しくなりやすくなります。
    U理論で示されている原理原則に基づいて、内省を深めながら対話をすることや、第三者からの支援を得ることで、関係性の改善を図ることが可能になります。
     

  2. 共同作業の質の向上
    1対1の関係性の中で共同作業を行う場合、役割分担や行動パターンが固定化しやすくなることから、時間の経過とともに発展的な関わりが生まれない状態に陥りやすくなります。
    どちらか、もしくは両方がU理論を実践することで、はまり込んだ思考パターンを打破することができるようになり、関係性のダイナミクスに変化が生じ、共同作業の質が向上しやすくなります。

​チームレベル

  1. チームの一枚岩化
    新しくチームが編成される、チームメンバーが変更になる、目指している方向性にばらつきがある、状況が悪化するなどの状態に陥った際には、チームとしての一体感を得づらくなりやすくなります。U理論で提示されているプロセスを辿ることにより、相互理解が深まり、「プレゼンシング」の状態に至ることでチームとしての一枚岩化を図ることが可能になります。
     

  2. 議論の錯綜・対立の発展的解消
    複雑性の高い問題に遭遇すればするほど、様々な仮説や主張が入り混じる為、議論が錯綜し、対立にまで発展しやすくなります。
    U理論ではそうした複雑性に起因する集団の崩壊のプロセスと創造のプロセスを対比し、その転換のための実践プロセスを明示していることから、集団としての発展的な展開を迎えることが可能になります。
     

  3. 創発的な合意形成の実現
    チームが複雑性の高い問題に遭遇している場合、様々な仮説や主張が入り混じることから論理性や合理性に基づく合意形成が難しくなります。U理論の実践を通じて、集団で「プレゼンシング」に到達した場合、創発された未来のビジョンや意図に全員で感じ取ることができるようになるため、創発的な合意形成が実現されます。
     

  4. 新規商品・サービスの立ち上げ
    チームによって新規商品・サービスの立ち上げを行う場合、チームでの関係性の質が議論の質に影響を及ぼすことから、U理論の実践によって「プレゼンシング」に至るまでのプロセスを意図的にたどれるようにすることにより、生産性の向上を図れます。
    また、アイデアを具現化するプロトタイピングのフェーズにおいては、デザインファームであるIDEOの開発したプロセスを参考にU理論の体系が図られていることから、新規商品・サービスの実現化に向けた試行錯誤の質を高めやすくなります。

​組織レベル

  1. 理念・ビジョン・戦略の共有
    組織規模が大きくなるにつれて、組織の理念やビジョンが形骸化しやすくなったり、戦略の浸透が一方的なものになりやすくなったりします。
    U理論の中では、対話による集団の内省と創発を重視していることから、理念・ビジョン・戦略の浸透の過程において「教える」のではなく、「自らものにする」ということを可能にしていきます。
     

  2. 部門間対立の解消
    部門間での業務上の連携が存在していればしているほど、ある部門の取った施策に対する副作用が他部門に及んだり、ある部門の不手際が他部門に多大なる悪影響を及ぼすといった状態を生み出したりすることは必然的に起こりやすくなります。
    そうした問題は、各部門の部分最適的な解決策では解決に至らないことも多くなります。また、部門長同士での議論によって解決を図ろうとしても、それぞれの立場や部門の利害が関係してくるため、玉虫色の解決策になりやすくなります。
    U理論の中で提示される実践の原理原則に従って、部門間での対話を進めることにより、利害に基づく双方の葛藤を超越した形での協働が可能になります。
     

  3. 組織課題の解決
    組織課題の中には、解決の難易度が高く、かつ以前から解決されないまま塩漬けになっている問題があります。そうした問題は、組織を取り巻く外部構造や組織内の「生活習慣病」ともいうべき、課題であるため多様なステークホルダーの参画が必要になります。
    多様なステークホルダーの参画により、意見の多様化が進みイノベーティブなアイデアが生まれる可能性がある一方で、まとまりのないまま、議論が錯綜してしまう可能性も高くなります。
    集団でのU理論の実践の原理原則に従いながら、対話のプロセスをデザインすることで、多様なステークホルダーの関心を集約し、創発された未来から合意された施策の実行が可能になります。
     

  4. 新規事業の立ち上げ
    新規事業立ち上げの多くは、社内のハイパフォーマーが任命され、事業化が図られ始めます。しかしながら、事業の立ち上がりが遅かったり、既存事業に対する何らかの影響があったりするものであればあるほど、組織としての協力が得づらくなり、立ち消えてしまうことも少なくありません。
    新規事業立ち上げのプロセスをU理論の原理原則に基づいて行うようにすることで、全社課題として新規事業を位置付けやすくなり、組織内外の協力を得ながらの立ち上げが行いやすくなります。

​社会レベル

  1. 多様なステークホルダーの結束
    社会的な問題の多くは、複雑性の高い問題に位置付けられることから、多様なステークホルダーの参画が重要になります。
    また、実際にはステークホルダーでありながらも、その問題が自己利益に直接関係しないように感じられるものであればあるほど参画を促すことが難しくなりやすくなります。
    U理論で提示されているプロセスを辿ることにより、多様なステークホルダーに対して自分ゴト化を促しやすくなり、主体的な参画を可能にしやすくなります。
     

  2. イノベーションプロジェクトの実践
    U理論の中では、内的な変容を外的な施策へと結び付けていく一連のプロセスが明示されていることから、社会的な問題に対しても多様なステークホルダーの参画によるイノベーションプロジェクトの立ち上げに役立ちやすくなっています。
    イノベーションプロジェクトは草の根的な活動から始まるケースもありますが、多様なステークホルダーの参画を可能にしていくことにより、拡がりを創り出しやすくなります。