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INTERVIEW

オーセンティック・リーダーシップの旅

「オーセンティック・リーダーシップの旅」では、これまでにリーダーシップ・シフトプログラムを受講された卒業生の皆さんのインタビューをシリーズでお届けしていきます。自身の本質に真摯に向き合い、唯一無二の自分を体現することで、周囲に影響力を発揮していく“オーセンティック・リーダー”としての目覚めと、その軌跡を訪ねます。


リーダーシップ・シフトプログラム:自分自身と周囲の「自分らしさ」を解放することで、その人の強みが十分に発揮される状態を創り、一人ひとりと場の進化をもたらし続ける共創型リーダーシップを開発します。( エントリー、ベーシック、アドバンス、ジャーニーの4つのコースを設けています。)

オーセンティック・リーダーシップの旅

株式会社 URUU 代表取締役 江上 広行さま

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金融業界の変革に取り組む

 

— いまどのような活動をされているのですか。

 

株式会社URUU(うるう) という会社を経営しています。4年に1回の閏年にやってくる2月29 日のように、ギスギスしてしまった社会のズレを直し、世界を潤すことを目的に、「人」「組織」そして「お金」に潤いをもたらすサービスを提供しています。

具体的には、「対話」をベースとした金融機関向けコンサルティングおよび人材育成事業を展開しています。利益よりも価値を大切にする金融の普及、創発を生む組織対話のファシリテーションや、その人らしさを解放するリーダーシップ教育。そして、人を幸せにするおカネを感じる ワークショップ「エミー・ゼニーゲーム」 の開催などを手掛けています。

U理論に出会い、知らない世界の扉が開いた

 

— なぜ、リーダーシップ・シフト プログラムに参加しようと思ったのですか。

 

7年程前になりますが、たまたま書店でふと手に取ったのが、U理論の本でした。読んだ時に「こういう価値観があるんだ」と、自分がずっと探してきた、感じてきたことが言語化されてる驚きがあったんです。

当時はサラリーマンとして普通に働いていて、特に何かに悩んでいたわけではなかったんですが、U理論に出会って、知らない世界の扉が開いた感じがして。思いきってセミナーに参加したのがきっかけです。

自己と向き合い、人生が大きく動き出した

 

ー 実際に講座を受けてみて印象に残っていることはありますか。

強烈に覚えているのは、初日にポロポロと泣いてしまったことです。ストーリーテリングのペアワークで、パートナーになった女性が自己開示をしてくれたことに力をもらって、自分のことを話し始めたら、ふと十数年前に亡くなった父のことが急に浮かんで。

今思い出しても辛くなりますが、父を恨んでいたこと、父を許せずに逃避していた自分、そうした回収できてこなかった感情が、ワークの最中に湧き上がってきて、砕かれたんです。ものすごく衝撃でした。

いわゆる、メンタルモデル(意識・無意識の前提、思い込み、固定観念)と、その背景にある怖れに、初めて向き合ったこの体験が、自分の人生に大きく影響を与えたことは間違いないですね。

当時、講師を務めていた中土井さんが、「心の内側のレバーを開く」と表現されていたんですが、まさにあの時、僕自身のレバーが開かれて、自分の生き方がすごく変わったなと思います。人生が大きく動き出した転機でした。

当時からは予測できない未来を、今、生きている

— 受講後には、どんな変化があったのでしょうか。

 

新しいチャレンジを躊躇なくやるようになりました。起業したこともその一つです。

長く銀行に勤めていたので、「お金の力で世界を変えたい」という思いがありました。人をコントロールしたり、利益や収入を得るためのお金ではなくて、もっと別の素晴らしい可能性がお金にはあるはず、それを探求したいという思いでした。

そんな矢先に出会ったのが、同じくU理論の「出現する未来から導く」という書籍。金融の領域とU理論の世界観が統合されていたことに、ここでも衝撃を受けた。「これを日本で実現するんだ」という直感を得たんです。

そのことを色んな人に話していたら、ある時、U理論で知り合った仲間が、オランダにある金融コミュニティとの橋渡しをしてくれたんです。「出現する未来から導く」の共著者でもあったカトリン・カウファーが、持続可能な社会を作るために、お金を使って世界を変えていく“価値を大切にする金融”を世界中に広げる活動をしていることを知りました。 GABV(The Global Alliance for Banking on Values)という組織です。

その組織には世界で50以上の金融機関が加盟していましたが、日本にはそこに加盟している金融機関はありませんでした。僕には、日本でその活動を広げていく使命があると思い、導かれるようにオランダにわたりました。

このことが起点となって、日本にGABVに加盟する52番目の金融機関が誕生するお手伝いをしました。東京にある第一勧業信用組合というところです。そして、“価値を大切にする金融”を日本で展開していくために、2018年に、「価値を大切にする金融実践者の会」― JPBV(The Japanese Practitioners for Banking on Values) ―を設立。活動に本腰を入れるべく、サラリーマンを辞めて会社を起業して、今に至ったという流れです。

現れるべき時に現れるべき人がちゃんと現れて、つながっていったという感覚です。スティーブ・ジョブズがConnecting The Dots(点と点をつなげ)と表現していますが、まさにそうで、ただただその瞬間に導かれて選択していたら、結果こうなった。本当に、当時からは予測できない未来を今、生きてる感じがしています。

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JPBVが連携しているグローバル金融ネットワーク、GABV(The Global Alliance for Banking on Values) のカンファレンスで、カトリンに遭遇した時の写真。「カトリンに、「あなたは僕の人生を変えた人です」って挨拶に行ったら、彼女はメールCCに入っていた僕の名前を覚えていてくれて、「私もあなたのこと知っている。日本から来てくれたのね」って言われたんです。すごく嬉しかったですね!」(2019年2月)

事実や理論で戦った30代。論理や理屈を超えた40代

 

— まさに、シンクロニシティー(意味のある偶然の一致)が起きたんですね。

 

そうですね。もしかしたらU理論に出会う前の僕の人生、つまり、生まれてから色んなことがあった人生で起きたことは全部、今につながるプロセスだったのかもしれません。

僕がU理論と出会ったのは40代半ばなんですが、30歳くらいの時に一度、鬱病になったことがあるんです。離婚したり、父親が亡くなったり、仕事でも自分の器を超えるものがどんどん増えていって、耐えられなくなった時期でした。

色んなことに追い込められた30代は、周りで起きることを事実的に、理論的に、取り戻そうと必死でした。銀行員からコンサルタントに転職したりもして。

そうした経験を経て40代でU理論と出会い、自分の内面に向き合うことで、論理や理屈を超えた世界に触れた。全ての出来事が、今につながっていると思います。

お金の力を取り戻す。仕事と人生に分断のない働き方をつくる

— 最後に今後創り出したいと思っていることを教えてください。
 

2つあります。まず1つ目は、お金の力をもう一度、取り戻すこと。お金が、人々をコントロールしたり、社会に格差をつくる道具ではなく、感謝や繋がりをつくるものになるように、お金に人間の意図をちゃんと乗せていく世界を作りたいです。そのために、金融や銀行を再定義して、利益ではなく価値を大切にする銀行―バリューベースバンクーを広げていきたいです。

もう1つは、人と組織への取組み。仕事と人生に分断がなく、自分らしくあることと働くことが、何の区別もない働き方を作りたいです。金融業界は、特に分断があると感じているので、敢えて一番難しいところで、業界の中から変革を起こしたいです。そこに自分の役割を感じています。

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