ティール組織について見落とされていること

2019年9月9日​ 中土井 僚「日々是内省」


2018年1月に『ティール組織』が出版され、日本ではティールブームが起こりました。


最近では、「ティールコンサル」を名乗る方も出始めているそうで、「ティール組織化する」ことを目指そう/目指させようという動きが組織の現場では起きているように思います。


しかし、そこには見落とされているものがあるように思えてなりません。


著者であるフレデリック・ラルー氏は書籍の中で、「一人のミドル・マネージャーが自分の担当部署でティール組織的な慣行を導入することは可能でしょうか?」と質問されると、「『無駄な努力はやめたほうがよいですよ』と答えることにしている」と明言しています。


それは経営トップと組織のオーナーの世界観だけが組織の運命を左右するからだと。


ティール組織の元になっているのは、ケン・ウイルバーの提唱するインテグラル理論で表されている発達段階なのですが、そのことから、このラルー氏の回答の意味が見えてきます。


ラルー氏は、「こういう組織構造にすれば、ティールになれる」とは基本的に言っておらず、「ある発達段階にたどり着いた人たちは、こんな組織を創りがちだ」という傾向を実例を挙げているにすぎないのです。


とりわけその組織のトップとオーナーがティール段階以上の発達段階に到達できていなければ、ティール組織は創れないと明言しています。


ティール組織では、組織のメタファを「生命体」として捉えていると言われていますが、その発達段階にいる人達は、「組織を生命体に『なぞらえて』見ている」のではなく、「組織が『実際に』生命体に見えている」という違いがあります。


この点についてラルー氏は書籍の中で、「あなたは自分の組織がどうありたいと願っているのかに耳を傾けられるだろうか?」と投げかけています。


ティール段階以降にたどり着いた人の特徴として、「ヴィジョン・ロジック」という直感的に全体把握できる力が発揮されるようになります。これは論理の積み上げによって全体を理解するのではなく、直観で把握できる力です。


正解が見えづらく、物事が複雑に絡み合っている現代においては、どれだけ正確な答えに思えたとしても、論理の積み上げによる意思決定は何かしら限界を抱えます。


その意味で、感性と理性の統合はますます重要になってくると言えるでしょう。


そして、それは組織においては活動単位となるチーム自体が直観力を高め、組織の存在目的に耳を傾ける力が問われることを意味しているのだと思います。

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