Blog:「静かな退職」というフレーズが問いかけるもの

更新日:8月24日

2022年8月23日 NEWS・Blog


最近は、夕方の風にわずかな涼しさを感じられるようになってきましたね!

そんなお盆過ぎのある日に、目を引く記事を見つけました。


職場の新フレーズ「静かな退職」って何?

(The Wall Street Journal より:リンク先記事)


タイトルだけ見ると、

『ある日突然、消えるように会社を退職していくヒトが後を絶たないとか…?』

と、私の【企業の人事担当】の部分がぞっと冷や汗をかくような感触をおぼえました。

実際には退職が多発しているという話ではありません。

詳細はぜひリンクからご覧いただくとして、”quiet quitting”とは以下のことを指しているそうです。


仕事で期待以上の成果を目指すという考え方を拒否する若いプロフェッショナルたちが、自分の熱意の低さを、辞めることの一形態として表現している

(※記事より引用)


無理をして会社組織のためにモーレツに働くことを辞める。

決められた時間内で、決められた仕事をきっちりやる。

そういった状態を「静かな退職」と表現しているようです。



本記事は複数のソーシャルニュースメディアで取りあげられ、それぞれで賛否様々なコメントを見かけます。


この事象は、「自分の人生で実現したいことこそを優先してよい」という意識の転換を示す事象でもあるとも感じられますし、実際に心身を損なうようなガムシャラな働き方一辺倒ということからの脱却、そして人間性の解放という点では歓迎されているのではと感じます。


また、本記事にも例として書かれている通りに、肩の力を抜いたらかえってミーティングなどに積極的・前向きに参加し肯定的な評価を受けることが増えた…というのは興味深い現象であると思います。





一方で組織・チームのを運営する側の観点で見たとき、この「静かな退職者」が増えることによって引き起こされる副作用はどんなものが考えられるでしょうか。





(手間味噌なのですが)5月に発行した弊社メルマガでご紹介した内容が、この「静かな退職」現象と近いところがあるのでは…と思い起こしています。


それは所属という意味での「組織」や「職場」への人々の意識が明らかに変わってきており、「会社や組織に固定的に所属している」という感覚ではなく、「ジョブ/プロジェクトという流動的なものに携わっている」という感覚への変化であり、加えて当事者意識が低いとなると、仕事というより「業務」ないし「作業」と化し、とりあえずこなしていくもの、になっても不思議ではありません。


そうすると何が起きるか、というと、例えば仕事に対するオーナーシップが育たなかったり、プロフェッショナリティやモラルといったものが低下していくことなどが考えられます。

その結果、かつてであれば考えられないような凡ミスが多発したり、ましてや取り返しのつかないような事案につながる可能性があります。


実際こういったことへの危惧を、最近弊社へのご相談内容としていただくことが増えてきています。


「静かな退職」とは、以前メルマガでご紹介していた、この事象の当事者が自分たちを表現した言葉になるのかしら…と、感じた次第です。




さて、皆さんは、この「静かな退職」というキーワードから、何を問われていると感じますか?




 

ちなみに、メルマガでは、この流動的な状況に対応するソリューションとして「チーミング」についてご紹介していました。

せっかくなので、こちらでも少しチーミングについて解説します。



「チーミング」とは、ハーバード・ビジネススクールのエイミー・エドモントソン教授が提唱した概念です。

私たちが普段よく使う「チーム」は名詞ですが、「チーミング」(-ing)は、動詞です。


例えば、オーケストラの楽団はチームとして位置づけられています。

オーケストラではそれぞれの役割が明確に固定されており、人の入れ替わりは頻繁には発生しません。そして、良い演奏をするために 共に習練を重ね、時にお互いの人間性や歩んできた人生についても理解しあいながら関係性を築いていくことも求められます。

まさに「チームビルディング」が機能しますし、求められます。


それに対して、組織の現場はもっと流動的になっているというのが彼女の着眼点です。


突然、重要事案が発生して社内外からメンバーが集められるだけでなく、入れ替わりも頻繁に生じ、互いに習練を重ねる暇もなく、高いアウトプットを出すことが求められる時代となってきている状況においては、とても「チーム」と呼べるような関係性でもなければ、「ビルディング」などという悠長なことをやっている暇もありません。

かといって、適当に人が寄せ集まったところで、高いアウトプットは期待できません。

だからこそ、彼女は「チーミング」が大切なのだと指摘しています。

「チームビルディング」は活動なのに対して、「チーミング」は、いわば協働のリテラシーです。

チーミングの実現に向けて、エイミー・エドモンソン博士は以下の4点をチーミングを促すリーダーシップ行動として挙げています。

 

1.物事の捉える認知の枠組みを変える(学習フレーミング)

2.心理的に安全な場をつくる(心理的安全性)

3.失敗から学ぶ(絶え間ない試行錯誤)

4.職業的、文化的な境界をつなぐ(越境の促進)

 

私たちのチーミング実現の手法として「SOUNDメソッド®」を、SOUNDコーチ養成講座などにてご紹介しております。

個人の方向けだけでなく、最近は法人様向けにもご紹介できる機会が増えてきました! 詳細についてはぜひお問い合わせください!


(文:広報 山根)