INTERVIEW

オーセンティック・リーダーシップの旅

「オーセンティック・リーダーシップの旅」では、これまでにリーダーシップ・シフトプログラムを受講された卒業生の皆さんのインタビューをシリーズでお届けしていきます。自身の本質に真摯に向き合い、唯一無二の自分を体現することで、周囲に影響力を発揮していく“オーセンティック・リーダー”としての目覚めと、その軌跡を訪ねます。


リーダーシップ・シフトプログラム:自分自身と周囲の「自分らしさ」を解放することで、その人の強みが十分に発揮される状態を創り、一人ひとりと場の進化をもたらし続ける共創型リーダーシップを開発します。( エントリー、ベーシック、アドバンス、ジャーニーの4つのコースを設けています。)

オーセンティック・リーダーシップの旅

アドベンチャーレース・アスリート/
​理学療法士 中野 洋平

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理学療法士、そして、“TJAR戦士”と呼ばれるアスリート

— いまどのような活動をされているのですか。


理学療法士として、都内にある医療機関の整形外科で、怪我や病気などで運動機能が低下している患者さんを対象に、運動機能の回復や維持を目的としたリハビリ治療を行っています。小学生からお年寄りまで幅広い年代の患者さんを診ています。また、ライフワークでは、いわゆるアドベンチャーレースに参加するアスリートです。

2018年に、トランスジャパンアルプスレース(Trans Japan Alps Race以下TJAR)というものに参加しました。これは、日本海・富山湾から太平洋・駿河湾まで415kmの道のりを、3つのアルプス(北アルプス・中央アルプス・南アルプス)を超えて、自分の足のみで8日間以内に走破するというものなのですが、10年ほど前から目標にして、毎年トレーニングに励み、初めての参加で何とか無事に完走することができました。完走した選手は、“TJAR戦士”と呼ばれているので、僕もその戦士の一人です(笑)。

U理論との偶然の出会い。自分の枠の外にもっと可能性があることを知った

— なぜ、リーダーシップ・シフト プログラムに参加しようと思ったのですか。

 

以前にリハビリを担当した方とのご縁で、たまたま、U理論の存在を知ったのが始まりでした。当初は「U理論というものがあるんだな」ぐらいだったんですが、ある日、これもたまたま、遅延した電車の待ち時間に、ふとU理論のことを思い出して、スマホで検索したところ、『U理論 入門ワークショップ*』が翌月開催されることを知ったんです。ちょうど自分の視野を広げるような機会を探していた時期でもあったので、試してみようという感じで参加しました。
*「U理論」の日本での普及と実践を目的としたコミュニティー、プレゼンシング・インスティチュート・コミュニティー・ジャパン(PICJ:Presensing Institute Community Japan)が定期的に主催しているワークショップ

 

その時初めてU理論の中身を知り、「自分の見えている世界はなんて小さいんだ」と軽く衝撃があったのを覚えています。それまでも色んな行動はしていたけれど、自分の解釈の中でインプットしていただけだったなと。ワークショップで、自分の思考の枠を超える体験があって、その枠の外にすごく可能性が見えたんです。

そんな様子が伝わったのか、ワークショップ講師を務めていた古江さんに声をかけてもらって、リーダーシップ・シフト プログラムを紹介されました。「これはもう行くしかないな」という感じで、ベーシックコース(LSB)に飛び込みましたね。

誰かを勇気づけるために走る。走ることの意味合いが変わった

ー 実際に講座を受けてみて印象に残っていることはありますか。

かなり衝撃でした。講座の初日、自分にとって最初のメンタルモデルを発見した時、もう全身の力が抜けて、グワングワンしたのを覚えています。これはもう体験していただくしかないんですが、自分の人生の謎が解けた感じと言えるかもしれません。

当時は、TRAJ2018への出場を目指して、トレーニングを兼ねて国内の様々なレースに参加していた時期だったんですが、LSBを受けて、自分が走る意味合いが変わっていく感覚がありました。

それまでは、「もっとキツいレースに出て、もっと強くなってやるんだ」と自己満足で走っていた。それがLSB後、「自分が走ることで勇気づけられる人がいる。その人たちのために自分は走っているんじゃないか?」という気持ちが湧いてきたんです。これは自分にとってとても大きな転換でした。

自分の決めつけを手放して、目の前の相手の意図を感じられるようになった

 

— その後は、どんな変化があったのでしょうか。


LSBが終わった後、アドバンスコース、ジャーニーコースにも参加しました。実感として一番大きいのは、「地に足がついた」ということです。それまでは、自分や周囲に対して、どこか冷めた感覚というか、他人事として見ていた所がありました。そして、その中途半端な自分に限界を感じていました。それが講座を通して、色んな角度から物事が見えるようになり、様々な感情が出てきても、振り回されずにいられるようになった。自分の中にある軸、芯のようなものがつかめるようになりました。

その結果、妻との関係に変化がありましたね。僕が無謀なレースに出るたびに、色々言われてきたんですが、彼女の言葉の裏側にある意図、想いを感じられるようになった。そして、僕自身のそうした変化が妻にも伝わって、お互いに相手の発言の意図であったり、その瞬間、瞬間に相手が感じていることに、思いを馳せられるようになったことで、全く喧嘩をしなくなりましたね。

職場においても、これまでは、後輩が何かミスをしたら、「何で全力でやらないんだ」ってものすごく腹を立てていました。この感情の根っこには、「僕は、仕事もレースも全力でやってる!同じ感覚を持ちたかったら、同じ経験をするしかない!」という、決めつけがあったと思います。でもそれが、「自分と同じ経験をせずとも、その人、その人が体験していることから、引き出せばいい」って思えるようになったことで、相手への信頼感が増しました。

これはジャーニーで体験したことですが、物理的な姿・形としての自分が無くなったとしても、それでも志を共にする仲間がいて、思っていたより深いところで全体としてつながっている、という感覚が芽生えたんです。“存在”としての自分に気づいたという感覚ですね。周囲に対する考え・発言・振舞いが変わったと思います。

“体”の可能性を存分に表現し、自分らしく生きることの素晴らしさを
伝承したい

— 最後に今後創り出したいと思っていることを教えてください。
 

具体的なことではないんですが、僕の中にフツフツとあるのは、 “体”というテーマは切っても切りはなせないなということです。ここで言う“体”は、物理的な“肉体”という意味はもちろん、先ほど言ったような(肉体を超えた)“存在”というものも含みます。仕事で患者さんの体に触れていても、レースで自分の肉体の限界に挑んでいても、いつも実感するのは、「人はこれだけの可能性を得ているのだから、存分に使わない手はない」ということです。

その人が、その人自身の体を使って、もっとその人らしく生きてほしい。そして、自分自身がそれを体現することで、周囲の人たちに、<自分として生きる>ということを、丸ごと伝承できるような存在になりたいです。『中野式:本当の”体“の使い方』みたいなイメージでしょうか(笑)。頑張ります!!

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TJAR出場には、家族の承諾が必要です。10年越しで出場が決まった時、妻に承諾書サインのお願いをしたら、「書けない。TJARが危険だからじゃない。毎朝走って病院に向かうあなたを、帰ってこないかもしれないと思いながら見送ってる」と言われました。僕以上に覚悟を持って支えてくれていた。そして、最終的には承諾してくれ、誰よりも応援してくれた。本当にかけがえのないやりとりでした。