狛犬が教える逆境の乗り越え方

2020年6月10日​ 中土井 僚「日々是内省」


人生には、逆境と言われるような、物事が思うようにならない困難な状況に直面する瞬間があると思います。


例えば、学生時代であれば、部活動で思うような活躍ができず、どんなに練習を重ねても周囲との実力差に落ち込んでしまったり、あるいは、受験勉強でなかなか成績が伸びず、焦れば焦るほど集中力が途切れてしまったという経験は、程度の差はあったとしても、記憶にある方も多いのではないでしょうか。


また、社会人になれば、大きな仕事の責任者に抜擢されたものの、思うように成果が出せず、上司には詰められ周囲からは冷ややかな目で見られてしまったり、仕事に打ち込むがあまり、家族と過ごす時間を蔑ろにしてしまい、家庭の中で居場所をなくしてしまうというような状況も、逆境と言えるかもしれません。


そして、今回の新型コロナウィルス感染症の感染拡大による様々な影響が、大きな逆境になっている方も少なくないと思います。特に、不要不急ではないと見なされがちな領域や、「3密」の状態を避けては通れない領域の仕事に従事されていらっしゃる方であれば、本当に先の見えない困難に晒されているご状況かと思います。


かく言う私もそうですが、研修講師やコーチングなどの対人支援職に就いている方であれば、多くの場合、不要不急ではないということで、講座やワークショップが延期あるいは中止となったり、「3密を避ける」ための急速なオンライン化ニーズへの対応に、この数ヶ月間、四苦八苦されたというケースも少なくないはずです。


こうした逆境下では、2つの声が思考を巡ります。一つは、「今すぐ、なんとかしなきゃ」という思い煩いの声、もう一つは、「ピンチはチャンス。なんとかなる」という前向きな声です。


コロナに関して言えば、全国的な緊急事態宣言は解除となりましたが、ワクチン開発には一定の時間がかかることや、その間に感染の第2波、第3波が来るという警鐘がある中で、依然として先行き不透明な状況があり、「なんとかしなきゃ」という焦りや、「なんとかなる」と自分を鼓舞する気持ちが交互に繰り返されている状態であったとしても不思議ではありません。


しかし一方で、この2つの声の堂々巡り状態が、長く続けば続くほど、次第に、自分の中のエネルギーや活力というものが削がれていくような感覚があったり、考えれば考えるほど悩みが増幅してしまうということも起きるのではないでしょうか。


そうだとすると、逆境を乗り越えようとする時に、前向きさがそれを後押しする側面はありますが、前向きさだけでは必ずしも不十分である。それどころか、長い目で見えるとかえって首を絞めてしまうということもあり得ます。


では、逆境下において、「なんとかしなきゃ」と思い煩うでもなく、「なんとかなるさ」と楽観視するでもない、第三の道があるとしたら、その道を切り開くために必要なこととは一体何なのでしょうか?

このことを考える上で、私たちに大きな示唆を与えてくれるのが、「神社の狛犬」です。狛犬(厳密には、獅子と狛犬)は、神社や寺院の入口の両脇、あるいは本殿や本堂の正面左右などに、一対で向き合う形で置かれていることが多いと思います。


この狛犬について、真偽のほどは定かではないのですが、長年日本の禅の老師のもとで修行したというアメリカ人が、その意味を語ってくれたことがあり、非常に唸らされました。


今回は、「狛犬が教える逆境の乗り越え方」をテーマに、私なりの洞察をLINE公式にてご紹介したいと思います。


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